住宅性能の重要性が年々高まる中、2027年度から住宅や住宅設備に関する省エネ基準が大きく見直されることが決定しました。これまで一部のハイグレード住宅に限られていた省エネ性能が、今後はすべての住宅において一定水準以上の性能が求められる時代になります。とくにエアコンや給湯器などの設備、断熱材や窓といった住宅の構造部分にもより厳しい基準が設けられ、省エネ性が義務として求められるようになります。
このような制度改正は環境負荷の低減やエネルギー自給率の向上といった国の目標に基づいたものですが、実際に住宅を購入する方にとっては、建築コストや補助金制度、資産価値など多方面に影響が及ぶことになります。今回の記事では、2027年度からの省エネ基準改正の内容と住宅購入者にとって具体的にどのような変化があるのかを詳しく解説します。
省エネ基準の改正とは?2027年度に何が変わるのか
2027年度から適用される省エネ基準の改正は、国全体としての脱炭素社会実現に向けた重要なステップのひとつです。これまでは任意だった評価項目が今後は住宅の性能を測る指標として明確に数値化・義務化されるようになり、すべての住宅で一定以上の省エネ性能が求められます。
この改正では、断熱性・気密性・設備機器の効率など、多岐にわたる要素が評価対象となり、住宅そのものの性能を底上げすることが目的とされています。購入者にとっては、選ぶ住宅の質が自動的に高まり、快適さや家計への優しさにもつながる一方で、初期費用や設計の自由度などに影響が出る可能性もあります。
設備機器の性能基準が強化
エアコンや給湯器など、住宅内で使用される主要な設備に対し、エネルギー効率の評価基準が厳格化されます。とくにエアコンについては、冷暖房能力に応じた区分ごとの省エネ基準(APF:通年エネルギー消費効率)が引き上げられ、現行基準と比べて30%以上の性能改善が求められるケースもあります。
また、これまで寸法(機器のサイズ)によって区分されていた省エネ評価が見直され、形状に関係なく一律で高効率な性能が求められるようになります。これにより、購入時には省エネラベルや性能表示をしっかりと確認する必要が出てきます。
住宅そのものの性能も問われる
住宅の断熱性能(UA値)や一次エネルギー消費量(BEI)など、これまでは任意評価だった指標が2025年度から義務化され、2027年度にはより厳格な水準へと引き上げられます。
これにより、住宅会社は設計や施工段階での性能管理が求められ、住宅の品質そのものが大きく左右される時代に突入します。性能が数値として可視化されるため、より透明性の高い選択が可能になる一方で、価格や仕様の見直しを伴うケースも想定されます。
太陽光発電の導入がスタンダードに
一部自治体ではすでに新築住宅への太陽光発電設置義務が始まっており、東京都では2025年から一定規模の住宅供給事業者に対して設置が義務付けられるなど、先行的な取り組みが進められています。
今後はこの動きが全国に広がり、太陽光発電の導入が”選択肢”ではなく”前提”になると見込まれます。政府としても再生可能エネルギーの普及を後押ししており、省エネ性能+創エネ性能の両面が住宅価値の判断基準となる時代がやってきます。
住宅購入者に与える5つの影響
1. 建築費が上昇する可能性
高性能な断熱材や設備の導入が必要となり、建築コストが上がることが予想されます。ただし、性能の高い住宅に対しては補助金や税制優遇などの支援も検討されています。
2. 光熱費の削減が期待できる
冷暖房効率が高まることで、電気代・ガス代などのランニングコストが抑えられるメリットがあります。
3. ローンや補助金制度の条件に直結
省エネ性能が住宅ローン優遇(フラット35S等)や補助金適用の条件になることが増えます。2025年以降は、省エネ基準を満たさない住宅は建築そのものが不可となるため、基準の把握は必須です。
4. 中古市場での資産価値に差が出る
省エネ性能が数値で可視化されるため、性能の低い住宅は中古市場で評価が下がる可能性があります。一方、高性能住宅は買い手の安心感につながり、需要が高まると見られます。
5. 自主的な情報収集が重要に
住宅会社任せにせず、省エネ基準や性能ラベル(BELS、長期優良住宅など)の理解が住宅選びのカギになります。認定制度の意味や違いを知ることで、より信頼できる施工会社を見極めやすくなります。
今、買うべきか?待つべきか?
「早めの契約でコストを抑える」か「改正後の高性能住宅を選ぶ」か、判断はご家庭のライフプラン次第です。
- コスト重視:改正前に建てることで初期費用を抑える
- 性能重視:補助金や性能水準が整う改正後を待つ
価格だけでなく、将来の暮らしや資産価値まで見据えた判断が大切です。
まとめ
2027年度の省エネ基準改正は、住宅業界全体にとっても住宅購入者にとっても大きな転換点です。高性能住宅が”特別”から”当たり前”になる時代を前に、まずは正しい情報を知ること。そして信頼できるパートナーと家づくりを進めることが、安心で快適な未来の暮らしにつながります。
省エネ性能の向上は、家族の快適さ・家計の負担・将来の資産価値にまで影響する重要なテーマです。今後の動向をしっかりと見据え、賢く住宅を選びましょう。
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