新築を計画する際に、多くの方は電気にするか?ガスにするか?どちらが自分のライフスタイルに合っているか迷います。新築住宅において、エネルギー選択は、日々の生活の快適さや安全性、そして長期的なコストに大きく影響するため、非常に重要な決断です。特に「プロパンガスと電気の併用住宅」と「オール電化住宅」の比較を解説します。さらに、プロパンガスと都市ガスの違いについても触れ、災害時にどちらがよりレジリエンス効果が高いのかについても解説します。
特に、地震や台風などの災害が頻発する日本において、災害時のエネルギー供給は非常に重要なポイントです。プロパンガスの特徴やメリット、デメリットを詳しく掘り下げることで、新築住宅のエネルギー選択において賢い判断ができるようにお伝えしていますので、あなたの住宅エネルギー選択に対する考え方が変わります。
プロパンガスの基本情報
まず、プロパンガスについて簡単に説明します。
プロパンガスは、液化石油ガス(LPG)の一種であり、ボンベやタンクで個別に供給されるエネルギーです。一方、都市ガスは、ガス管を通じて地域全体に供給される天然ガスが主成分のエネルギーです。
メリット1:供給の柔軟性
プロパンガスはボンベやタンクで供給されるため、設置場所の自由度が高くなります。都市ガスの供給エリア外でも使用可能で、特に地方や郊外での利用が多いとされています。
メリット2:災害時のレジリエンス
災害時に強いのがプロパンガスの大きな特徴です。ガスボンベやタンクが個別に設置されているため、地震や災害でガス管が破損しても、都市ガスや電気に比べ、プロパンガスの供給には影響が少ないと言えます。実際に、災害時にはプロパンガスが早期に復旧し、非常用のエネルギー源として役立つことが多いです。
東北大震災では、多くのプロパンガス会社によるボンベの提供が話題になりました。プロパンガス会社は、災害に対しての意識が高いという点もあると言えます。
メリット3:エネルギー効率の高さ
プロパンガスは高い燃焼効率を持ち、短時間で高温を得ることができます。これにより、料理や暖房において効率的にエネルギーを利用できます。例えば、プロパンガスは都市ガスに比べて約2.2倍の熱量を持っており、同じ量のガスでより多くのエネルギーを供給できます。
電気と比較しても、プロパンガスは直接燃焼するため、熱エネルギーへの変換効率が高く、エネルギー損失が少ないのが特徴です。
メリット4:初期費用の低さ
プロパンガスの設備は初期費用が比較的低く抑えられます。ガス配管の敷設が不要なため、設置コストが抑えられるのです。
具体的には、プロパンガスを利用するためには、ガスボンベやタンクを設置するだけでよく、更に、プロパンガスの供給業者が設備費用を負担する場合が多く、初期投資が都市ガスに比べ軽減されます。これに対して、都市ガスはガス管の敷設工事が必要であり、そのための工事費用が発生します。
オール電化住宅の場合も、高性能な電気機器や配線工事などの初期費用が高くなる傾向があります。
デメリット1:設置する場所
よくデメリットの一つで言われているボンベ剥き出しの見た目は、外観に合わせたものでボンベを覆うことで解消されますが、唯一デメリットと言えるのは、ガスボンベを設置する場所を用意しなくてはいけないところです。
土地の形状によってはボンベを置くスペースを確保できない場合もありますので、間取りを設計するときと同時に考えておいた方が良いと思います。
オール電化住宅の基本情報
次に、オール電化住宅について説明します。
オール電化住宅とは、家庭内のすべてのエネルギー源を電気で賄う住宅のことを指します。
主に、電気温水器やIHクッキングヒーターなどを利用します。
メリット1:一括管理の利便性
オール電化住宅は、すべてのエネルギー源が電気に統一されているため、管理が簡単です。ガスの配管やボンベの交換などが不要で、電気料金の一括請求も可能です。
メリット2:安全性の高さ
ガスを使用しないため、ガス漏れや火災のリスクが低く、安全性が高いと言えます。特に小さなお子様がいる家庭では安心ですね。でも、火を使う生活を小さな頃から見せておく方が良いと提唱している方もいますね!
メリット3:環境負荷の軽減
オール電化住宅は、クリーンなエネルギーである電気を使用するため、環境にやさしい選択と言えます。特に、再生可能エネルギーを利用することで、さらに環境負荷を減らすことができます。
デメリット1:初期費用の高さ
オール電化住宅は初期費用が高くなることが多く、電気設備の設置や工事費用が嵩むため、導入時のコストが高くなります。
デメリット2:停電時のリスク
オール電化住宅は、電力に全面的に依存しているため、停電時にはすべての設備が使用できなくなるリスクがあります。災害時には、特にこの点が問題となることがあります。ガスの場合、ガスコンロは乾電池式のタイプもありますので、仮に停電になったとしても火を使うことは可能です。
プロパンガスと都市ガスの違い
次に、プロパンガスと都市ガスの違いについて説明します。
プロパンガスの特徴
先ほどお伝えしたように、プロパンガスはボンベやタンクで供給されるため、場所を用意しなくてはいけないという側面もありますが、言い換えると供給場所の自由度が高く、災害時にも強いというメリットがあります。また、燃焼効率が高いため、エネルギーを効率的に利用できます。
都市ガスの特徴
一方、都市ガスはガス管を通じて供給されるため、急激にガスを使用したとしてもガスが無くなるといったこともなく、安定した供給ができます。ただし、供給エリアが限定されているため、利用できる地域が限られます。また、ガス管が地震などの災害で破損した場合、復旧に大きく時間がかかります。
結論とおすすめ
プロパンガスと電気の併用住宅は、特に災害時に強く、柔軟性が高いことが魅力です。一方、オール電化住宅は、管理の利便性や安全性、環境負荷の軽減といった点で優れています。新築住宅を選ぶ際には、生活スタイルや地域の特性、予算などを考慮し、自分に最適なエネルギー源を選ぶことが重要です。
プロパンガスのメリットを重視する方は、災害時のレジリエンスや燃焼効率の高さを考慮に入れて選ぶと良いでしょう。
・自然エネルギーを利用したパッシブデザイン
・太陽光発電、蓄電池による電気の自給自足
・FIP対応型蓄電池とAIクラウドHEMSによる電気の自動売買システム
・プロパンガスによる防災レジリエンスの向上
この4つを揃えてこそ、これから建てるべき新築住宅の形であると言えるのではないでしょうか?
信頼関係が大切
家づくりには担当者との信頼関係がとても大切です!
性能が良い、デザインが良い、安いから、なんて理由ではなく、何十年先も付き合っていく住宅会社、担当者として見た時に「安心できるな」と思った会社を選びましょう!
あなたを理解し、良いことも悪いこともちゃんと伝えてくれる人。
我慢するばかりではなく、この人なら何とかしてくれると思える人。
そんな信頼できる住宅会社と担当者を探すことがとっても大切なのです。
株式会社アイズホーム
建築士とともにあなたに寄り添った家づくり
お問い合わせはこちら
https://is-h.jp/inquiry