家を建てる際、多くの方が住宅ローンを組むことになります。しかし、その計画が甘ければ、想定外のトラブルにより、最悪の場合は住宅ローン破綻に陥る可能性もあるのです。特に、「大手ハウスメーカーだから安心」と思い込み、十分な資金計画を立てないまま契約を進めてしまうと、思わぬ落とし穴に陥ることもあります。
今回ご紹介するのは、あるご家族が新築住宅を購入したものの、わずか5年で家を手放すことになった実話です。このケースから学び、住宅ローンで失敗しないための重要なポイントをお伝えします。
住宅ローン破綻の実例|Aさん一家のケース
Aさんは、奥様、お子様2人(6歳と1歳)の4人家族。某大手ハウスメーカーで新築を購入しました。
Aさんの住宅ローンの条件
- 月々の支払い:9万円
- ボーナス払い:年2回、16万円ずつ
- 年間返済額:約140万円(月平均11.6万円)
一見すると特別高額なローンではありません。しかし、この住宅ローンが原因で、最終的に家を手放すことになってしまいました。その理由を見ていきましょう。
住宅ローン破綻の原因①|契約時の落とし穴
Aさん一家は、次のような流れで家を建てることを決めました。
- 子どもが保育園に入るタイミングで住宅展示場を訪問
- 営業担当者のトークで契約を即決
- 住宅ローンの事前審査を提出し、スムーズに通過
- 契約後の仕様変更が難しく、理想の間取りにならずとも購入を決断
ここでの大きな問題は、「返済比率ギリギリの予算で契約をしてしまった」ことです。そのため、住宅ローンの支払いが家計に重くのしかかることになります。
住宅ローン破綻の原因②|想定外の収入減
Aさんは、ボーナス払いを住宅ローンに組み込んでいました。しかし、会社の業績悪化によりボーナスがカットされる事態が発生。これにより、毎月のローン返済が一気に厳しくなります。
さらに、奥様が2人目の出産後に産後うつを発症し、復職できなくなるという状況も重なり、家計は一気に圧迫されていきました。貯金を切り崩しながら住宅ローンを支払い続けましたが、やがて資金が底をつき、最終的には家を手放す決断をすることになりました。
住宅ローン破綻を防ぐために避けるべき3つのポイント
Aさんのケースを教訓に、住宅ローン破綻を防ぐための重要なポイントを3つご紹介します。
① 住宅展示場に事前情報なしで行かない
住宅展示場は、多くの方が気軽に訪れる場所ですが、そこでの営業トークに流されてしまうケースが多く見られます。
- 住宅展示場は維持費がかかるため、メーカーは契約を優先する傾向がある
- 「特別価格」「限定キャンペーン」などの営業トークに注意
- 十分な家づくりの知識を得た上で訪問することが重要
住宅会社の営業マンの話を鵜呑みにするのではなく、自分自身で情報収集を行い、冷静に判断することが大切です。
② 住宅ローンにボーナス払いを組み込まない
ボーナス払いは、万が一会社の業績が悪化した際に大きなリスクとなります。
- ボーナスは企業業績次第で減額・カットの可能性あり
- ボーナスなしでは生活が成り立たないなら、その家は買うべきではない
- 安定した支払いができる資金計画を立てることが重要
ボーナス払いを前提にすると、景気変動の影響を受けやすくなるため、なるべく月々の安定した収入内で返済できる計画を立てるべきです。
③ 簡易的な資金計画だけで家を建てない
「住宅ローンの審査に通った=返済可能」というわけではありません。将来的なライフイベントを考慮した資金計画を立てることが重要です。
- 出産、育児、車の買い替え、修繕費なども含めたシミュレーションを行う
- 「家を買えるか」ではなく「35年間支払えるか」を考える
住宅ローンを組む際には、長期的な視点で家計を見直し、無理のない範囲で借入を行うようにしましょう。
信頼できる住宅会社を選ぶことの重要性
住宅ローン破綻を防ぐためには、「どの会社で家を建てるか」も非常に重要です。
- 良いことも悪いことも率直に伝えてくれる担当者か
- 長期的に付き合っていける住宅会社か
価格やデザインだけでなく、「この担当者なら安心して任せられる」と思える会社を選ぶことが、住宅ローン破綻を防ぐための大きな要因となります。
まとめ
住宅ローン破綻は、特別なケースではなく、誰にでも起こり得るリスクです。しかし、適切な知識を持ち、慎重に計画を立てることで回避することができます。
これから家を建てようと考えている方は、今回の事例を参考に、無理のない資金計画を立てることをおすすめします。そして、信頼できる住宅会社とともに、安心して暮らせる家づくりを進めていきましょう。
信頼関係が大切
家づくりには担当者との信頼関係がとても大切です!
性能が良い、デザインが良い、安いから、なんて理由ではなく、何十年先も付き合っていく住宅会社、担当者として見た時に「安心できるな」と思った会社を選びましょう!
あなたを理解し、良いことも悪いこともちゃんと伝えてくれる人。
我慢するばかりではなく、この人なら何とかしてくれると思える人。
そんな信頼できる住宅会社と担当者を探すことがとっても大切なのです。
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